2012.02.10 yossy a.k.a. 会長
おはようございます。
やっと家にエアコンが設置され、身は暖かくなったエンジニアの吉田です。
この厳しい時代に心の寒さは一体どこへ行けば暖まることができるというのでしょうか。
と、どうでもいい話は置いといて、2月も半ばに差し掛かりまして、
IPA情報処理技術者試験の受験申込の季節がやって参りました。
弊社では資格試験を推奨している風潮はあまりないのですが、個人的に
情報処理技術者試験を受けるべき理由をいくつか考えてみたいと思います。
まずは、「そもそも情報処理技術者試験って何?」というところから。
■情報処理技術者試験とは
情報処理技術者試験
http://www.jitec.ipa.go.jp/
情報処理技術者試験とは、経済産業省が 情報処理の促進に関する法律 という
ものに基づいて実施している 国家資格試験 です。
1970年から実施されているので、40年ほどの歴史がありますね。
試験は年2回、春と秋に開催され、今回の春季試験は4/15が試験日です。
IT系の資格の中で国家資格となっているのは、この試験が唯一です。
■情報処理技術者試験の種類
情報処理技術者試験は、「区分」という形で数種類の試験が用意されています。
各区分の試験は、ITスキル標準(ITSS)に基づいた難易度が設定されています。
レベルごとに試験をまとめると以下のようになります。
<ITSSレベル1>
ITパスポート試験(旧初級アドミニストレータ)
<ITSSレベル2>
基本情報技術者試験(旧第二種情報処理技術者)
<ITSSレベル3>
応用情報技術者試験(旧ソフトウェア開発技術者/旧第一種情報処理技術者)
<ITSSレベル4>
ITストラテジスト試験(旧システムアナリスト)
システムアーキテクト試験(旧アプリケーションエンジニア)
プロジェクトマネージャ試験
ネットワークスペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
情報セキュリティスペシャリスト試験
ITサービスマネージャ試験
システム監査技術者試験
レベル3まではそれぞれ1つの試験区分ですが、レベル4は専門分野ごとに
難易度の高い区分が用意されています。
レベル4の試験を総称して「高度情報処理技術者試験」と呼ぶこともあります。
■各区分の合格率
各試験区分はの合格率は統計情報として公表されているので、まとめてみました。
<ITSSレベル1>
ITパスポート試験 40~60%
<ITSSレベル2>
基本情報技術者試験 20~30%
<ITSSレベル3>
応用情報技術者試験 20~25%
<ITSSレベル4>
ITストラテジスト試験 13~14%
システムアーキテクト試験 12~14%
プロジェクトマネージャ試験 12~13%
ネットワークスペシャリスト試験 13~14%
データベーススペシャリスト試験 16~18%
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 16~17%
情報セキュリティスペシャリスト試験 13~16%
ITサービスマネージャ試験 12~14%
システム監査技術者試験 13~14%
レベル1の試験は比較的合格率は高いですが、レベルが上がるにつれて
合格率は低くなっていく様子が伺えます。
※平成21年から合格のハードルが下がり、高度試験でも10%を
超えるようになりました。以前は7%程度だったので、かなり
合格しやすくなったので狙い目です。
■各区分の受験者の平均年齢
受験者の平均年齢も公表されているので、まとめてみます。
応募者の平均年齢と、合格者の平均年齢が載っていたので、
「応募者年齢(合格者年齢)」 としてみます。
<ITSSレベル1>
ITパスポート試験 28歳(30歳)
<ITSSレベル2>
基本情報技術者試験 27歳(25歳)
<ITSSレベル3>
応用情報技術者試験 30歳(29歳)
<ITSSレベル4>
ITストラテジスト試験 40歳(39歳)
システムアーキテクト試験 36歳(36歳)
プロジェクトマネージャ試験 39歳(37歳)
ネットワークスペシャリスト試験 34歳(33歳)
データベーススペシャリスト試験 33歳(31歳)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 35歳(33歳)
情報セキュリティスペシャリスト試験 36歳(34歳)
ITサービスマネージャ試験 39歳(37歳)
システム監査技術者試験 39歳(41歳)
受験者の年齢層は、レベル3までの試験は20代のうちに、
レベル4の試験は30代のうちに、という傾向が見受けられます。
■試験を受験すべき理由
さて、なぜ資格試験について紹介したのかというと、上手に使えば
役に立つと思っているからです。
資格なんて持っててもたいして役に立たないという声を聞いた
こともありますが、以下のような理由から受験すべきだと思っています。
●国がIT技術者に求めているスキルレベルを知ることができる
⇒仕事で求められる知識レベルと照らし合わせると、まだまだ知識が
足りないのか、それともある程度の知識は持っているのか、という
知識レベルの確認をある程度することができます。
●自分自身に対し、学習の機会を与えることができる
⇒仕事で必要に迫られない限り、勉強なんてなかなかしませんものね。。
●合格することが出来れば、客観的なスキルの証明になる
⇒学習したついでに合格できれば、一定のスキルがあると客観的に
証明することができるので、少しだけ有利になるはずです。
資格自体は持っていても、正直それほど役に立つとは思いませんが、
その資格試験を受けるために費やした学習時間で、知識が確実に向上しますし、
その知識を業務に生かすこともできたりします。
■どうやって学習するか
情報処理技術者試験は、それなりに歴史があるので、本屋さんに
参考書がたくさん置いてあります。
「情報処理教科書」シリーズが人気なようなので、参考にしてみては
如何でしょうか。
http://exampress.jp/it/joho/
※各試験区分の説明もされているので参考にしてみてください。
■余談
日経ソリューションビジネスが毎年アンケートを実施して公表している
のですが、資格を取得すると一時金が出たりする企業なんかもあったり
します。
※2012年版 いる資格、いらない資格
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NC/20111201/375410/
※2010年版「いる資格、いらない資格」一時金ランキング
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20091110/340266/
※2010年版「いる資格、いらない資格」取らせたい資格ランキング
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20091110/340307/
他にも、昇格するための条件にしている企業もあるそうで。。
■おわりに
良いシステムを創るためには、力が必要です。
力をつけるには、学習が必要です。
学習をするためには、目標が必要です。
その目標の1つとして、受験してみては如何でしょうか。
デワデワ。