2011.10.14 yossy a.k.a. 会長
はいどうも~。エンジニアの吉田です。
ソフトウェアに関連する書籍やWebサイトを見ていると、「ヤクの毛刈り」という言葉を見かけることがあります。
みなさんは、この「ヤクの毛刈り」という言葉、どのような状況を表現しているかご存知でしょうか?
今回は「ヤクの毛刈り」を紹介して、その状況に陥った場合にどうすべきかを考えてみたいと思います。
「ヤクの毛刈り」とは、簡単に紹介すると、以下のような状況の事を指す言葉です。
1. 解決したい問題(以降、「問題A」)が発生した
2. 「問題A」を解決するためには「ソリューションX」が有効であることがわかった
3. 「ソリューションX」を実行するためには、別の問題(以降、「問題B」)を解決する必要があった
4. 「問題B」を解決するためには「ソリューションY」が有効であることがわかった
5. 「ソリューションY」を実行するためには、さらに別の問題(以降、「問題C」)を解決する必要があった
6. 「問題C」を解決するためには「ソリューションZ」が・・・・・
といったように、問題を解決するために問題が発生することが何度も繰り返される状況
を、ソフトウェア業界では「ヤクの毛刈り」と表現します。
冒頭の写真は「ヤク」という動物です。
ヤクの毛は縮れていて、長くて、深くて、固いらしく、その毛を刈って
ウールに仕上げるまでには、大変な準備や労力を要するそうなのです。
この、本来の目的に達するまでの道のりが長いというところから、
比喩表現で「ヤクの毛刈り」と呼ばれるようになったそうです。
ここでちょっと「ヤクの毛刈り」をする状況を想像してみることにします。
1.「なんかサーバールームのUPSがピーピー言ってるなー。ちょっと調べてみるかー。」
2.「あれ?サーバールームにカギがかかっているのか。カギの暗証番号はなんだろう??」
3.「先輩に電話してなんとか暗証番号ゲット!やっとサーバールームに入れたー。」
4.「音が鳴っているこのUPSを調べたいんだけど、このUPSのマニュアルはどこだっけ?」
5.「マニュアルは別の倉庫部屋だったかなー。。またカギかかってたらヤだなー。」
6.「倉庫部屋でなんとかマニュアルを発見!カギかかってなくてよかった~。」
7.「ふむふむ、UPSの内部の状態はUSBでPC繋げば調べられるんだな。」
8.「ところで、UPSとPCを接続するケーブルはどこだっけ?」
9.「また倉庫部屋まで探しに行かなきゃなんないよ。。。遠いのに。。」
10.「はぁー。なんとか倉庫でケーブルを発見できたわー。しんどいわー。」
11.「さて、PCとUPSをケーブルで接続して、と。って、あれ?調査は専用ソフトが必要なの?」
12.「また倉庫部屋まで探しに行く必要があるかと思ったけど、ケーブルと一緒にCD-ROMあったわー。」
13.「さて、このCD-ROMからインストール・・・って、このノートPC、CDドライブついてねーじゃん!」
14.「なんだよー、今度は外付けCDドライブ探さなきゃなんないのかよー。。また倉庫部屋行くか・・・」
15.「っしゃぁー!案外すぐCDドライブ見つかってよかったー。よし、これでインストールできるかな?」
16.「あれ?CDドライブが認識しないぞ?なんだよー、専用のドライバが必要なのかよー。」
17.「仕方ない、インターネット経由でドライバでも探してみるか。・・あれ?無線LAN繋がらない・・?」
18.「無線LANの接続設定が消えちゃってて、再設定が必要になっているじゃん!もう!」
19.「はぁ~、無線LAN再設定してなんとかドライバがゲットできた~。やっと、インストールできる・・・」
20.「今度はCD入れたのにインストーラが起動しないぞ?手動で実行してみるか・・・」
21.「がーん!このソフト、Windows98用じゃん!このPC、Windows7じゃん!無理じゃん!」
22.「仕方ない・・・ネットからWindows7用の専用ソフトを探してくるか・・・」
23.「なんとかVista用のが見つかったけど、300MBもあるし。DL遅いし。3時間もかかるじゃん。。」
24.「やっとダウンロード終わった・・・。これでインストールに取り掛かれる・・・。」
25.「うげ!インストールしようとしたら、必要なコンポーネントが見つかりません・・・だと!?」
26.「仕方ない、ネットから・・・ ~以後省略~」
27.「うげ!今度は・・・ ~以後省略~」
28. ~以後省略~
「ヤクの毛刈り」に陥った場合、本来の目的が達成できないストレスに加え、
かなりの時間を無駄に浪費してしまうことになるでしょう。
これは、業務中に陥ってしまった場合、そのプロジェクトにとっては大きなロストです。
一方で、「ヤクの毛刈り」で次々と降りかかってくる問題は、ただひたすらに解決していくこととなるため、
個々人にとっては問題解決能力を向上させられるという捉え方も出来なくはないでしょう。
したがって、たとえ「ヤクの毛刈り」をする状況に陥っても、前向きな考え方を維持することで
結果的にプラスへ転換させることもできそうです。
もし、多くの人が同じ轍にはまりやすいようであれば、他の人へ事前に「ヤクの毛刈り」状況を
伝えることで、数人分の時間ロスを未然に防ぐことができるかもしれません。
「ヤクの毛刈り」状態に陥る可能性は、常日頃十分にあり得そうで
出来れば避けたい状況ですが、最後まで諦めずに立ち向かう強さを持って
たとえ困難な状況に陥っても「その経験が必ず糧になる」と考えることで、
何事もプラスに転じることができるのではないかと思います。
なので、何事もプラス思考で考えて生きた方が、いい結果へ繋げられそうですね。
デワデワ。