2011.07.05 Akito
あきとの営業トーク講座第一回、それでは講義を始めます。
例えば、「今週中に注文書がほしい」という気持ちがあったとしましょう。
そこで、素直な言い方は
「今週中に注文書を頂けないでしょうか?」
です。
逆に、ズルい言い回しだと、
「今週中に注文書を頂けないと、別の案件で稼働が埋まってしまいますよ」
という感じでしょうか。
ここで、「別の案件」というのがホントはなかったりすると、
それこそ「ズルくて」「悪い」営業さんですね。
そこで、私の場合は、下記のようにお客さんに伝えるようにします。
※あくまでも私の場合です
「今週中に注文書を頂くことは可能でしょうか?」・・・①
「なぜなら、納品までのスケジュールを考えますと、今週中には開発着手が必要で
そのためにも、今週中に受注を確定させたいのです」・・・②
「ただし、受注が確定であれば、注文書の発行がなくともメールでの
エビデンスを頂ければ着手することが可能です」・・・③
「先方様の調整等、お忙しいところ申し訳ございませんが、
ご検討頂けますと幸いです」・・・④
①で、とりあえず自分の意思をはっきり伝えるようにします。
遠回し過ぎたりすると伝わらないですし、モジモジしてても歯切れが悪く、
あまりいい印象を持ってもらえないと思うので、とにかく
「わかりやすく」「伝わりやすく」「ストレート」に言うように心がけています。
②で、理由を言います。
「なんで私がこの話をしたのか」という理由が1番に伝わるように
意識して伝えます。
相手も人間なので、「なぜ」がわからないままの話は気持ちが悪いと思います。
「相手が自分だったら」どう思うかを常に考えながら、
相手のことも極力配慮した理由を選びます。
ここで気を付けたいのは、理由を何個も重ねない事。
あまり多いと、くどいし、言い訳がましいです。
絶対に言いたい理由が1つ以上ある場合は、特に読み返して、
くどくなっていないか、伝わりにくくなっていないか注意が必要です。
③は譲歩です。
何かを相手にお願いするときには、100%こっちの言い分を通さないように
気を付けようと思っています。
今回のケースですと、「注文書ほしい」が主なのですが、
②の理由のところで「注文書ほしいのは着手したいから」と述べています。
だからこそ、③の譲歩で、
「注文書(主題)に代わる何か(代替案)があれば着手(目的達成)できるからOK」
ということを伝えます。
譲歩案は、最初のお願いよりも交渉の相手方にとって少しでも都合の良いもので
ある必要があります。
注文書は、会社によっては経理の人、社長さん、部長さん等、
交渉の相手方以外の人の関与が予想されます。
そこを配慮することで「注文書がなくてもメールでエビデンスが取れればOK」という案が、
譲歩案になりえるのです。
④は締めくくりの言葉です。
感謝の気持ちや申し訳ない気持ち、うれしい、安心、労い等の
感情に関わる言葉を選んで締めくくります。
ただ、これは何となくつけることが多く、もっといい締めがないかは
時々悩みます。
あまり形式張り過ぎると、感謝を述べていても
かえって無感情に感じられたりするため、注意が必要です。
④は要点ではなく、スーッとクールダウンできるような、
すんなり読みながせるような文章になります。
武道でいうとことろの「残身」のようなイメージで私は使うようにしています。
それでも、この④はちゃんと考えると難しいです。
※「残身」とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AE%8B%E5%BF%83
さて、「言い回し」の一例でしたが、いかがでしょうか?
営業は、「いることで何かいいこと」があるようなイメージを
まわりに持ってもらう必要があると私は考えています。
思慮・配慮の足りない営業、言葉の拙い営業、間の悪い営業と、、、
「いるだけ邪魔」というか、そこに存在してても意味のない営業には
なってはいけません。
他にも、「言い回し」の例はたくさんあるのですが、
今日はこのへんで。
全てに通じて、大切なのは、
「言葉は相手に伝えるためにあるもの」で、
「ちゃんと伝わらない言葉は話す価値がない」ということです。
言い回しというと、スキルっぽい感じがある気がしますが、
要は、相手に伝わる言葉選びであり、伝える相手がどれだけ
しっかり見えているかがカギだと思います。
ではでは、今日の講義はここまで。
お疲れ様でした。