「誰に評価されたい?」という、ちきりんさんのブログ。
昨日友達と飲みに行ったときに話してたことと、とてもタイムリー。

誰に評価されたい? 上司? 会社? それとも市場?

ちきりんさんは、生産性というキーワードを切り口にして、
「どんどん生産性を高めて、上司でも、会社でもなく
 市場に評価されるひとになったほうがよくない?」
と結んでいます。

人材として評価されるに足るのは、
上司や会社なんてちっぽけなものじゃなく、
市場こそ相応しい、という考え方。

僕も、本当にそう思う。


ちょっと話を変えます。
「employee ability(エンプロイアビリティ)」という言葉があって、
僕の中では10年くらい前から意識してます。

employee ability をちょっと乱暴に一言で言うと、「転職能力」です。
※詳しい言葉の説明はこちら

僕自身、21の時に大学を辞めてから、バイトも含めて転職は8回くらいしています。
ただ、僕の「転職能力はイケてるぜ」ということではないです。
むしろイケてない。
へんなとこに入って、約束した給与がもらえないとこもあったし、
運送のバイトに面接で落ちて凹んだこともあります。

で、なんでそんなに転職したかと言うと、
実際のところは単に飽きっぽいだけだったような気もしますが、
自分なりにポリシー(屁理屈かもだけど)もあったんです。

それは「同じ業界には転職しない」ってこと。
どんなに短くても、どんな仕事でも、
何かしたことは業界が違っても絶対に活きるはずだと。

まぁ、本来は同じ業界で同じ職種のほうが経験を活かせるし、
給与だって維持できると考えるのが普通。実際雇う側もそういう人材を求めてる。

でも、僕は自分の20代でそういう壮大な実験をしたかったんだと言うことにしてます。
どんな仕事しても次に活かせるというのは、たぶん本当なんだだって。

実際、塾講師で生徒さんと接してきた経験は、
ホストやってたときに女の子の話を聞くのに活かせたし、
不動産の営業経験は、ほかのどんな仕事に就いた時にでも、
仕事をしていて感じた理不尽さを和らげてくれた気がします。

ただ、そんな自分勝手なプライドは、
世の中では単に「飽きっぽいんだね。変わってるね」っていうレッテルになって、
あまり評価されるものではなかったです。

そんな中、「お前の考え方、あながち間違ってないぜ?」と背中を押してくれたのが、
"CDP(キャリアデベロップメントプログラム)"
"employee ability(エンプロイアビリティ)"
という2つのキーワードでした。

実際、今の会社で人事的な判断をするときでも、この思想はベースにしてます。
「スタッフみんなの"employee ability"を高められるかどうか」を意識してる。
スタッフの転職能力を高めるなんて、ちょっと矛盾しそうな話ですが
、僕はしないと思ってます。
僕がスタッフの時に、会社がそういう意識を持ってくれたらと思うと、
うれしいと感じるからです。

そろそろ長くなってきたのでまとめます。

言いたいことは、
"今の会社、今の仕事にだけ通用すればいいではなく、
 仕事においてのその経験、そのスキルは、社会一般に望まれているものか"
これを意識することが、今後のキャリアプラン構築のためには重要だと思うんだ!
ということ。

それはある意味で経営者目線に近しいものだし、世の中全般が欲しがるような
経験やスキルがあれば、現職でだって優遇されるよ、と本当にそう思います。


そうそう。ちょっと余談ですが。

つい最近、「従業員は経営者目線なんて持たなくていい」といった記事を
Facebookで取り上げました。
※記事はこちら

この話も、ひとつの真理(おおげさだけど)だと思います。
その記事を書いているひとと、ちきりんさんの言ってることは、真逆だけど。
僕は、脱社畜ブログの記事は、これはこれで重要な視点だと思う。
これは、世の中の経営者は、労働者側からこういう風に見られてますよ、という警笛。

一方で、ちきりんさんの考え方は絶対に間違っていないと思うし、
なるべく多くの人に、こういう考え方を知ってもらいたいと思う。

経営者は脱社畜ブログを受け止めて、あらためて省みることが大事だし、
労働者はちきりんさんのブログを読んで、自分の仕事の仕方を振り返ってみる。
経営者も労働者も、どっちもがどっちもの気持ちをわかりあうって大事ですよね。

おしまい。